バイナリーオプション初心者の方は、投資の基礎知識としてまずローソク足の見方から勉強されると思います。一般的に、ローソク足チャートは基本中の基本とされており、ローソク足のパターンなどを覚えることで、相場の動きを理解しやすくなります。
そのローソク足の発展型として、平均足というものがあります。
平均足を活用することにより、よりトレンドの動きが把握しやすくなり、値動きが予測しやすくなります。
今回は、その平均足とは何であるかを詳しく見ていきましょう。
平均足って何?
バイナリーオプション取引で、一般的に使用されるチャートはローソク足チャートになります。ローソク足は、始値・高値・安値・終値の4つの値がそれぞれ表示されており、価格の変動幅がそのまま反映されているものになります。そのため、始値より終値が高くなれば陽線となり、安くなれば陰線となります。また、高値と安値は実体の上下に伸びるヒゲとして表示されます。
一方、平均足とはコマ足とも呼ばれる日本古来のチャート分析法で、ローソク足チャートと似てはいますが、足の計算方法が違ってくるため、チャート上では少し見え方が違ってきます。
平均足も、ローソク足と同じく始値・高値・安値・終値にて表示されますが、足の実体部分の上下、つまり始値と終値には平均値が使用されているのが特徴となります。計算式は以下となります。
■1日目の計算式
始値 = (前日始値 + 前日高値 + 前日安値 + 前日終値) ÷ 4
終値 = (当日始値 + 当日高値 + 当日安値 + 当日安値) ÷ 4
■2日目以降の計算式
始値 = (前日の平均足の始値+前日の平均足の終値) ÷ 2
終値 = (当日始値 + 当日高値 + 当日安値 + 当日終値) ÷ 4
平均足の高値・安値に関しては、通常のローソク足と同じく当日高値・安値となります。
平均足のメリットとは?
平均足は、上述したようにローソク足と計算式が違い、平均値を活用したチャートとなるため、主にチャートを視覚的に改良できる方法として活用されます。そのため、トレンドの把握がしやすくなり、トレンドフォローでの取引ではよく活用される分析方法となります。
大きなメリットは2つあり、1つ目は窓ができないことです。通常のローソク足は、トレンドの勢いが強く価格が大きく変動した際には、ローソク足同士の間に空間ができ、チャートの波が途切れたように見える部分が出来上がります。その空間を、窓と呼びます。
しかし、平均足では、実体は前日の平均足の実体の中心から、当日の始値・高値・安値・終値の平均値にかけて形成されるため、隣り合う平均足の間に窓と呼ばれる空間ができないようになっています。そのため、チャートが一繋ぎになり流れを把握しやすくなるのです。
2つ目は、陽線と陰線が比較的分かりやすく並ぶ点です。平均足では、上昇トレンドでは陽線の上ヒゲが長く下ヒゲがない状態が続き、下降トレンドでは陰線の下ヒゲが長く上ヒゲがない状態が続きます。また、平均足では、上昇トレンド発生中に陰線が出たり、下降トレンド発生中に陽線が出る可能性は極めて低いのが特徴です。そのため、チャートを見た時に陽線と陰線の入り混じりが少なくなるため、チャートが見やすくなるというメリットがあるのです。
平均足のデメリットとは?
では、反対に平均足のデメリットはあるのでしょうか?
それは、平均値を利用していることから、現在値の位置が分かりづらいということがあげられます。そのため、例えば強い上昇トレンドが起こっている時は、大抵高値=現在値となるため、高値買いとなってしまう可能性が大いにあります。また、反対に強い下降トレンドの場合は、安値売りとなってしまう可能性があるのです。あくまで、平均足チャートはトレンドの流れを把握するために適したツールであると理解し、細かく価格の動きを追いたい場合には平均足ではなくローソク足のチャートを活用しましょう。
平均足の使用方法
それでは、平均足はどのように表示させるのかについて見ていきましょう。
世界トップシェアを誇るMT4(チャート分析ツール)での設定方法をご紹介します。
MT4の標準表示はローソク足となります。そのため、平均足に変更したい場合は、カスタムインジケータから表示させます。
MT4を開いたら、画面上部の「挿入」より、「インジケータ」→「カスタム」→「Heiken Ashi」と選択します。すると、画面に平均足チャートが表示されます。
その時、もともとあったローソク足チャートに重なって、平均足チャートが表示されてしまいます。そのため、チャートが見づらくなってしまうので、ローソク足を消す方法も覚えておきましょう。
MT4の画面上部の「チャート」から、「プロパティ」を選択します。すると、設定画面が出てきます。
設定画面の右側の項目から、「上昇バー」「下降バー」「上昇ロウソク足」「下降ロウソク足」をnoneに設定すると、平均足だけ表示されるようになりチャートが見やすくなります。
ちなみに、背景色やローソク足の色を変更することも可能ですので、自分が見やすい画面表示に整えるのも良いと思います。
平均足を活用した取引方法
ここからは、実際にバイナリーオプション取引で、平均足をどのように活用していくのかを見ていきましょう。
しかしながら、まず知っておいていただきたいのは、平均足だけで精度の高いエントリーポイントを探し出すことはかなり難しいということです。
相場には、ダマシという現象が発生する可能性があります。ダマシとは、しっかりチャート分析をして予測したにも関わらず、予想通りにチャートが動かなかった場合のことをさします。そのダマシを回避するためにも、いくつかの情報を掛け合わせて判断することが極めて重要になってくるのです。
つまり、平均足チャートを活用して取引を行う際には、他のテクニカル指標を活用して、さまざまな視点から相場状況やトレンドの方向性について確認する必要があるということになります。
以下では、順張り、逆張りそれぞれの手法において、平均足チャートと相性の良いインジケーターと、活用方法についてご紹介いたします。バイナリーオプションで勝率を上げたいと思っている方は、ぜひ覚えて実践してみましょう。
順張り手法の場合
トレンドフォローで行う順張り手法の場合は、移動平均線との組み合わせで平均足を活用します。
移動平均線は、短期・中期・長期の3本を表示させます。そして、平均足でトレンドの方向性を確認し、その方向にパーフェクトオーダーが発生していることを確認できれば、順張りでエントリーを仕掛けるといった流れとなります。パーフェクトオーダーとは、3本の移動平均線が短期→中期→長期、もしくは長期→中期→短期の順に縦に並び、方向性がすべて一致している状態のことを言い、強いトレンドが発生していることを示唆しています。つまり、移動平均線でパーフェクトオーダーになっているかを合わせて確認することによって、平均足で判断したトレンドの方向性の信憑性が増し、エントリーの勝率を高めることができるのです。
また、一目均衡表を組み合わせた方法もあります。一目均衡表では、雲と呼ばれるチャートの反発が起きやすいエリアを表示させることができます。反発が起きやすいということは、そのエリアを突き抜けた場合は、大きなトレンドが起こる可能性もあるということになります。この特性を活かし、チャートが雲を突き抜けたタイミングを狙い、トレンド方向にエントリーをしていく手法も、バイナリーオプション取引において有効性がある手法と言えるのです。
逆張り手法の場合
トレンドの方向性とは反対方向にエントリーを仕掛ける手法を、逆張りと言います。逆張りの場合では、平均足に合わせてボリンジャーバンドやストキャスティクスといったインジケーターを活用することで、勝率の高いエントリーポイントを探し出すことができます。
まず、平均足チャートがボリンジャーバンドに触れたことを確認します。そして、ストキャスティクスのチャートに、ゴールデンクロスもしくはデッドクロスが出現していることを確認します。そのどちらもが確認できたとしたら、それまでのトレンドの方向とは反対方向にエントリーするのです。例えば、上昇トレンド中に平均足チャートがボリンジャーバンドの高値側のラインに触れたとしたら、ストキャスティクスのチャートでデッドクロスが出ていないか確認し、もし出ていたらLowエントリーを仕掛けるのです。
このように、逆張り手法ではトレンドが発生したことをはっきりと確認する前にエントリーを仕掛けるため、順張り手法と比べてエントリーポイントを正確に把握することが難しいという点があります。そのため、平均足以外にテクニカル指標を複数活用することで、エントリーの根拠を強めていき、またテクニカル指標の状況から不利だと思ったタイミングではエントリーしないなど、勝率を下げないように心掛けることが重要なのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
平均足は、トレンド全体の流れを確認したい時には、とても使える分析ツールであると言えます。
また、相性の良いインジケーターと組み合わせて分析を行うことで、エントリーポイントの根拠を強めることもできます。
バイナリーオプションを攻略する手段として、ぜひ平均足も使って取引をしてみることをおすすめします。