みなさんはカジノでよく聞く「マーチン」という言葉をご存知でしょうか。
正しくは「マーチンゲール法」といって、ギャンブルで使われる手法の名称です。
ギャンブルに例えられることもあるバイナリーオプションでマーチンは有効なのでしょうか?
この記事ではバイナリーオプションにおけるマーチンについて説明していきます!
マーチンゲール法ってなに?
マーチンゲール法とはギャンブルの戦略で、南フランスのマーティギュー地方出身者が好んで使っていた「マーティギューシステム」という手法が由来だそうです。
どんな戦略かというと、ズバリ、勝つまでやめない戦略です。
負けたとしても掛け金を2倍にして再度掛けます。それを勝つまで繰り返すことで、1度勝ちさえすれば負けた分をチャラにできるという仕組みです。
この戦略は、カジノなどのペイアウト率が2倍で、2分の1の確率で勝てる勝負に良く使われるものですが、バイナリーオプションも2分の1の確率で勝てるという性質があるため、この手法を使うことも可能です。
バイナリーオプションで利用する方法を詳しく説明すると、
ペイアウト率2.00倍の取引に投資額2000円でエントリーしたとします。
1回目の結果は負けでした。すると損失は2000円になりますね。2回目は掛け金を倍にして4000円にします。また負けたとします。損失は1回目と合わせて6000円になりました。3回目は更に掛け金を倍にして8000円とします。また負けて、損失は全部で14000円になりました。5回目に16000円かけます。ここで勝てたとしましょう。すると利益が16000円でます。全体で見ると、利益16000円-損失14000円で2000円プラスという結果になります。
1度勝てたら、その後は最初の掛け金に戻します。
バイナリーオプションでマーチンを使っても大丈夫なの?
ここまでの説明を聞くと、初心者の方やギャンブル好きな方には、魅力的な手法に見えますよね。
しかし、マーチンには大きな落とし穴があります。
危険性①莫大な資金が必要
マーチンは勝てるまで掛け金を倍にし続けなくてはならないため、莫大な資金が必要です。
必ずしも、自分の資金が尽きる前に勝つことができるとは限りません。
負け続けると損失額だけがどんどん増え、勝つ前に資金が尽き破産する危険性があります。
このような危険性から、マーチン手法は「破滅をもたらす手法」とも言われます。
また、ペイアウト率2.00倍に満たない取引でマーチンを行うと、はじめてから数回のうちに勝たなければ負けを取り返すことはできません。
危険性②掛け金の上限
さらに、バイナリーオプションの証券会社は掛け金の上限を設けています。
たとえば、ハイローオーストラリアの1回のエントリーでの上限金額は20万円です。
先程、マーチンには莫大資金が必要とご説明しましたが、「資金ならたくさんあるから問題ない!」と思われた方もいるかもしれません。
しかし、上限金額が決められてしまっていては、負けつづけて掛け金を20万円にしなければならない場合、資金は十分にあっても掛けることが不可能になってしまいます。
1回のエントリーでの上限は20万円までなので、確定後であれば上限の500万円までは掛けることができますが、何度も何度もエントリーするのは非常に手間のかかる作業になってしまいます。
いかがでしょうか?
マーチンを使っても取引をすることは理論上可能ですが、リスクを考えるとおすすめ方法とは言えません。
負け続ける確率は低い?
「資金が必要なことは分かったけどバイナリーオプションは2分の1の確率で勝てるのだから、いくらなんでもそんなに負けつづけないでしょ」
なかにはこの様に考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
では、いままでのご自身の取引での経験を思い出してみてください。
予想が5回、6回と連続で外れてしまった経験もよくありませんか?
たしかに、確率を計算すると、二者択一の勝負において一度でも勝てる確率は7回目には約99%になります。
しかし、確率はあくまでも確率であって、勝てる確率が0.1%でも勝てる場合もあれば、勝てる確率が99%にもかかわらず負けることもあるのです。
どうしてもマーチンで取引がしたい!
マーチン手法はリスクを伴う手法であるということを説明して来ました。
しかし、「マーチン手法が自分に合っている気がする」「マーチン手法をやってみたい」と思われる方には「取引は4回まで」で、1〜4回のエントリーの総額を「自分の資金の10%に収める」方法をおすすめします。
例として、ペイアウト率1.88倍の取引に1000円でエントリーしたとします。そうすると、取引4回目までなら勝てばそれまで負けた分の損失を取り返せますが、5回目以降は勝てたとしてもマイナスとなってしまいます。
1から4回目の取引で確実に勝てるよう、トレード手法と知識を使ってエントリーポイントを絞りましょう。
また、自分の資金の10%以内で取引をすることにより、無駄やマイナスを出さず安全に取引をすることができます。
例えば、自分の資金が20万円ある場合の初回エントリー額の計算方法を説明すると、
1〜4回で使える資金は10%の2万円
20000÷(1+2+4+8)=1333.3
つまり初回のエントリー額は1300円までということになります。
マーチン法がおすすめなのはどんな人?
マーチンは数ある手法の中でも難しく、トレーダーによっては適さない人もいるということがお分かりいただけたでしょうか。
必ずしも全ての人に適した手法というわけではありません。
では、どんな人がマーチン法に向いているのでしょう。
マーチン法をおすすめできるのは、資金が豊富にあり勝率の高いトレーダーです。
バイナリーオプションに慣れた高い勝率のトレーダーが、マーチン法でどれくらい利益が出せるのか試してみる程度の利用をおすすめします。
なぜなら、マーチン法はいくら経済的に余裕がある方でも、本当に余るほど資金があるという方でなければ大きな損失を出してしまう可能性があるからです。
すでにバイナリーオプションで成功しており、マーチンに興味がある方であれば試してみてもいいかもしれせん。
逆におすすめしない方は、まだバイナリーオプションの経験があまりなく勝率が低い、資金が沢山あるとはいえない方です。
どんな手法でも損失を出すことはあります。
ですが、勝率が低いということは、その手法には改善点がまだあり見直すべきであるということです。
そんな状態でマーチン法に手を出してしまうと、余計に損失をだしてしまう可能性があります。
逆マーチンにも注意!
いままで説明したマーチンとは逆の、逆マーチンという手法もあり、こちらも注意が必要です。
逆マーチンとは、マーチンと逆で勝ったら投資額を倍にするというものです。
この逆マーチンだと損失を少額にとどめることが可能で、さらには莫大な利益を短い時間で得ることができます。
この説明を聞くと魅力的に感じるかもしれませんが、通常のマーチン以上に莫大な資金が必要となる手法であり、実際にこの手法を使える方はほんと一握りであるといえるでしょう。
またマーチンとは逆に、マイナスより利益をみて取引する方法になるので、やめ時が分からなくなる怖さもあります。
ちょっとした気持ちで手を出すと、破産する可能性もある手法ですので十分に注意しましょう。
まとめ
バイナリーオプションにおけるマーチン手法について説明をしてきました。
マーチン法は勝つまで投資額を増やしつづけ、勝てればそれまでの損失を取り戻せるという手法です。
たしかに、分析などに自信のない初心者トレーダーの方などには魅力的に感じる手法かもしれません。
しかし、勝てなければ損失は増え続けてしまいます。
資金が無限にない以上、リスクを含んだ手法であるということを理解しましょう。
第一、マーチンで確実に稼ぐことができるのであれば、分析して取引をしている方よりマーチンを利用している方のほうが多いはずですよね。
実際に多くの方は分析して真面目に取引をしているということは、マーチンよりもそちらの方がおすすめな手法であると言えます。
バイナリーオプションはギャンブルではなく、分析で勝てる取引です。
テクニカル分析など、もっと確実な手法がたくさん存在しますので、マーチン法に頼るより前に自分の手法を磨き改善していった方が勝率アップにつながると思います。
マーチンのメリットとデメリットをよく考えて、取り入れるか判断してくださいね。