どのくらいの利益が出た段階を「稼げた」というのかは、人それぞれ違い、判断が難しいところではあります。
しかし、バイナリーオプションは、なぜか「稼げない」というイメージが定着していますし、「バイナリーオプションやるくらいならFXやる」などと言っている人たちもいます。
では、バイナリーオプションは本当に「稼げない」のでしょうか?
その理由となっている、バイナリーオプションのデメリットとされているポイントを掘り下げて考えてみたいと思います。
資産管理を徹底しないと大損する
バイナリーオプションの特徴の一つは、為替レートが上がるか下がるか二者択一で予測するシンプルなルールであるということです。
予測が当たれば、ペイアウト倍率に従って利益を得られ、予測が外れれば、投資額を全て失います。
FXでの「損切り」のような、自身の裁量で損失を最低限に抑えるといった概念はありません。
つまり、負け続けた場合は損失額が大きくなる可能性があります。
反対に、損失はエントリーした時点の投資金額のみと決まっている、つまり、為替レートの変動幅で損失額が決まるのではなく、どれだけ変動しても変わらないということなので、他の投資と比べて資産管理がしやすく、これはバイナリーオプションの最大のメリットとも言えます。
しかし、二者択一というルールがどこか運任せにしてしまう恐れを秘めており、資産管理をしっかり行っていないと、短時間で取引することができてしまうため、あっという間に資産が底をついてしまいます。
稼げないと思っている人ほど、少額スタートだしまさか大損なんてしない、と甘く考えてしまい資金管理がしっかりできていないのかもしれません。投資額が自分の資金額に見合った額になっているかを、常に意識することが大切です。
ペイアウト率が低め
バイナリーオプションの取引で重要視されるのは、ペイアウト率です。
例えば、ハイローオーストラリアの場合はペイアウト率は最大2.3倍となります。つまり、1,000円でエントリーした場合、予測が当たれば2,300円になり、予測が外れればゼロになります。
ペイアウト率が高いほど予測がしづらいようにできていますので、ペイアウト率が高ければ高いほど良いというものではありませんが、ペイアウト率が高いほど一度の取引で得られる利益が大きくなるのです。
しかし、バイナリーオプションにはペイアウト率の上限があるため、上限なしのFXなどと比べると、一度の取引で得られる利益は小さくなります。
バイナリーオプションは、少ない資産から始められるので、初心者にとってはハードルが低いのがメリットではありますが、他の投資と比べてペイアウト率が低めなのでなかなか資産を増やしづらいという面があるのです。
しかし、そもそもバイナリーオプションはローリスクローリターンの投資ですので、致し方ない部分ではあると思います。
高い勝率を出す必要がある
バイナリーオプションでは、損しないための勝率というものがあります。
もし、勝率が50%だとすると手数料などが引かれてしまえば全然利益が出ません。そのため、大体60%以上で安定して勝率を出さないと、しっかり稼げているとは実感できないでしょう。
つまり、バイナリーオプションで稼ぐためには、いかに取引の勝率を上げていくかを、常に考えていかなければなりません。他の投資のように、待っていれば利益がつくというような方法はとれないのです。
しかし、一口に勝率を上げるといっても、そう簡単にできることではありません。
相場というものは予測がつきにくく、外部要因によって大きく変動します。そのため、バイナリーオプションの取引には、どうしても勝てるタイミングと勝てないタイミングが存在します。そのタイミングを見極めなければ、安定した利益を得ることはできませんし、そこまでのレベルに達するには並大抵な努力では追い付かず、覚悟をもって投資の勉強に励まなければなりません。
これほど勝率が大事であれば、誰しも手っ取り早く勝率を上げたいと思うのは当然のことです。その気持ちを悪用した、さまざまな詐欺商材が世に出回っていますので注意が必要です。
中には、80~90%の高い勝率をうたった商材が存在しますが、これらはマーチンゲール法というギャンブル手法を前提とした取引での勝率である可能性が高いです。初心者や資産が少ない人が鵜呑みにして取引してしまうと、破産してしまう可能性もありますので、そういった無茶な取引を薦められても行わないようにしましょう。
利益の上限が他の投資に比べて低い
バイナリーオプションが、株やFXよりも稼げないと思われる原因は、利益額の差にあります。
株やFXでは数々の億トレーダーが存在しており、投資家として成功した際の未来は明るいものです。しかし、バイナリーオプションに関しては、一般人が1,000万円を超える額を稼ぐことは難しいとされています。
なぜならば、利用者の中ではバイナリーオプションをやるならハイローオーストラリア一択と言われているにも関わらず、ハイローオーストラリアでは、利益が1,000万円程度を超えると口座が凍結されてしまうと言われているからです。
これについては、ハイローオーストラリアが明確に発表しているわけではないので、あくまでも情報というレベルですが、もしこのようなことがあるとすれば、億トレーダーを目指すには大きな壁があるように見えます。
投資で稼げるようになるには、時間もお金も費やして勉強をする必要があります。その自己投資にかかる負担が同じくらいなのであれば、今後稼げる金額が大きくなる可能性の高い投資を選ぶべきと考えるのは至って普通のことです。
このように、利益額の大きさだけを見てしまうと、バイナリーオプションよりも他の投資の方が稼げるのではと思われても仕方がないように見えます。しかし、稼げるという感覚は自身の物差しによるものであり、いくらだから稼いでいると一概に言えるものでもないのではと思います。
業者選びに失敗している
国内と海外では、ペイアウト率、判定時間の条件に違いがあります。
ペイアウト率に関しては、国内の業者は変動制、海外の業者は固定制となっています。変動制はレートの状況によりペイアウト率が変わってしまいますが、固定制はペイアウト率が一律なので、常に一定の利益が得られるのが特徴です。
また、国内は判定時間が2時間区切りと決まっていますが、海外は30秒など短時間取引の選択も可能ですので、取引時間に自由度があります。
このことから、稼ぎたい人はより取引条件の良い海外の業者を選ぶ傾向があります。
しかし、海外のバイナリーオプション業者にトラブルが多いのは事実です。
特に海外の業者では、取引条件が良いからといって安易に契約してしまうと、納得のいく説明もなく出金拒否にあったり、そもそも利用者側にとって不利になるよう、提供するサービスに手が加えられていたりする可能性もあります。
もし稼げたとしても出金できない状況に陥り、手元にお金が入らなければ稼げていないも同然です。正しく業者を選ばなければ、無駄に資産を失うことになります。
まず安全に取引ができなければ、稼ぐことはできません。目先の利益を優先せず、業者選びは慎重に行いましょう。
手軽さが勉強不足を招いている
バイナリーオプションは、FXと同じ為替の値動きを利用して行う投資です。
「初心者向け」「入りやすい」と言ってもそれはルール上のことだけであって、簡単に稼げるようになるわけではありません。
しかし、簡単だと勘違いした人が片手間で利用し始めると、時間を費やせなくなり便利ツールに頼りがちになります。そういう人ほど、「どのツールを使えば勝てますか?」という愚問をネット上で投げかけていると思います。
バイナリーオプションでは、存在するのは詐欺ツールばかりと言われていますが、ツールの勝率というものは利用者のスキルによって変わるものだと思います。同じツールでも、使う人のスキルが高ければ勝率も高くなるし、使う人のスキルが低ければ勝率も低くなってしまうものだと思います。
ツールに頼りすぎて投資の勉強を怠っていれば、おそらく勝率は上がることはありません。もし良いツールとめぐり逢っていたとしても、うまく使いこなせないため稼げません。すると、稼げないからといって、さらに良いツールがないかと探し回り、挙句の果てに詐欺商材にあたってしまい、無駄な損失を増やしてしまいます。
投資で大切なのは、自分の知識や経験です。それなのに、バイナリーオプションの手軽さから投資を軽んじてしまうことで、稼げないループにはまってしまうのです。
まず自分にあった投資かどうかを考えよう
バイナリーオプションのデメリットとされるポイントについて考えてきましたが、これらはバイナリーオプションの特徴を理解していなかったり、そもそも投資を甘く見ていたりするからネガティブに見えるだけであって、よく知ってよく考えれば「バイナリーオプション=稼げない」という結論には至らないのではないかと思います。
はっきりしていることは、バイナリーオプションはローリスクローリターンの投資であることです。コツコツと利益を上げていく必要があるため、もし稼げないと思ってしまう人は、理想が高すぎてそう思ってしまっているのかもしれません
大きな利益を得たいと考える人は、自分にあった別の方法を考える必要があります。しかしそれは、ハイリスクハイリターンになることは確実です。
自分がどのくらい稼ぎたいのかを明確にすることで、最適な方法が見つかり、「稼げない」という不満は軽減するのだと思います。