バイナリーオプション取引において、根拠のあるエントリーを行っていくことはとても大切です。そのためにも、インジケーターを使ってテクニカル分析を行うことが重要となります。
インジケーターにもさまざまな種類があり、その中の一つにRSIと呼ばれるインジケーターがあります。RSIはオシレーター系インジケーターの中でも特にメジャーで、バイナリーオプション取引においてもよく活用されているものになります。
今回は、RSIの活用方法について詳しく見ていきたいと思います。
RSIって何?
RSI(Relative Strength Index)とは、日本語に訳すと相対力指数と言い、相場が買われ過ぎの状態か、それとも売られ過ぎの状態かを判断するためのインジケーターになります。
RSIで表わされる数値は、以下の計算式で算出されます。
変動幅とは、一定期間の上げ幅と下げ幅の合計で導かれます。つまり、RSIとは全体の変動幅における上げ幅の割合を示すものであるということです。
RSIでは、いくら値上がりしたかや、値下がりしたかは分かりませんが、一定期間における価格がすべて上昇している場合は100、すべてが下落している場合は0となります。また、上げ幅と下げ幅が同じであった場合は、50の値になります。つまり、RSIは0~100の数値で表示され、その数値によって相場の状態を把握し分析が行えるのです。
RSIを使うべき理由
RSIを活用すると、相場において把握できるポイントが2つあります。
買われ過ぎ・売られ過ぎ
上述したように、RSIでは一定期間における価格がすべて上昇している場合は100、すべてが下落している場合は0と表示されます。これにより、100に近ければ相場が買われ過ぎの状態になっており、0に近ければ相場が売られ過ぎの状態になっていると考えられるのです。
相場が買われ過ぎや売られ過ぎと判断された場合、多くのトレーダーがそれまでの相場のバランスが崩れ、トレンドの流れが止まるだろうと考え売買し始めます。そのため、RSIの0や100付近にチャートが近づくと、トレンドの流れにブレーキがかかり、トレンドが反転しやすいという特性があるのです。
ダイバージェンス
もう一つ、RSIを用いて相場の状況を見極めるポイントがあります。それは、ダイバージェンスと呼ばれる、実際の相場のチャートとRSIのチャートが真逆の方向に動いている状態になっているかどうかです。ダイバージェンスは、実際には高値を更新しているのにRSIでは下降している、もしくは実際には安値を更新しているのにRSIでは上昇しているという状態です。これが何を意味するのかというと、トレンドの勢いが弱まってきているということであり、その後はRSIのチャートが向かう方向に実際のチャートが動きやすいのです。つまり、RSIを使うにあたりダイバージェンスを意識しておくと、トレンドの転換期を素早く察知することができるのです。
RSIの使用方法
それでは、世界トップシェアを誇るMT4(チャート分析ツール)においての、RSIの使い方についてご紹介します。
まず、チャート画面上にRSIを出してみましょう。
MT4を開き、上部にある「挿入」から、順番に「インディケーター」→「オシレーター」→「Relative Strength Index」とクリックしていきます。
設定する画面が開きますので、設定値などを選んだら「OK」をクリックします。
すると、チャート画面の下部にRSIのチャートが表示されます。
RSIを活用した取引方法
バイナリーオプション取引でのRSIの活用方法について、見ていきたいと思います。
逆張りの場合
前述したように、RSIは0~100の数値で表示されており、どちらの数値側に傾いているかで、相場の状況を判断することができます。一般的には、70以上が買われ過ぎの状態で、30以下が売られ過ぎの状態を表わします。これらの範囲にRSIのチャートが入ると、チャートの動く向きが反転する可能性が高いと予測することができます。その特徴を活かし、RSIの70もしくは30のラインを抜けた時点で、今までのチャートが動いていた方向とは逆向きに、エントリーを仕掛けることを逆張りと言います。
具体的には、例えばRSIのチャートが上昇し70を超えたとします。この場合、価格が上がりすぎているため、そろそろ反転して下落し始める可能性が高いと判断し、それを根拠にLowエントリーを仕掛けます。このように、RSIから得る情報をエントリーポイントのサインと捉えて取引していくことで、勝率を上げていくことが可能となるのです。
順張りの場合
逆張りとは反対に、トレンドに乗ってエントリーしていく手法を順張りと言います。
順張りでは、RSIから得る情報をトレンドの転換期と捉えて、新しいトレンドが発生した後にエントリーしていく方法を取ります。このように、トレンドが発生したのを確認してからエントリーできるため、逆張りと比べてタイミングが分かりやすく勝率も上がりやすいと言えます。
順張りでは、RSIの70や30のラインを抜けたタイミングをエントリーポイントとするのではなく、ラインを抜けたらチャートの動きを注視します。そして、RSIが70以下や30以上になってきたら、トレンドの転換が起こったと判断することができ、新しく発生したトレンドの向きに合わせてエントリーしていきます。つまり、順張りを行う上でRSIの70や30という数値は、エントリーポイントがもうすぐやってくるということを告知する値になってくるのです。その告知を受け、新しくトレンドが発生したタイミングでエントリーができれば、勝率が高い取引ができるのです。
RSIを使う時の注意点
価格が上がり続けた場合でも、RSIでは100以上にはなりません。反対に、価格が下がり続けた場合でも0以下にはなりません。このため、もし勢いのあるトレンドが発生して、価格が上昇や下降し続けたとしても、100や0は抜けることなく、その水準にチャートが張り付いた状態となります。
この張り付いた状態が長く続いた場合には、エントリーするのをやめておくのが無難です。なぜなら、RSIが70以上30以下の値を出し続ける背景として、何かしらの原因によって急に大きなトレンドが発生した可能性があります。これはイレギュラーな状態となっているため、通常の予測がつきにくく取引するにはリスクが高いのです。バイナリーオプションでは、負ける回数をどれだけ減らせるかがとても肝心です。そのため、相場が安定するまで待ち、焦らず勝率の高いポイントを見極めてエントリーをしていきましょう。
また、RSIを単体で使用してしまうと、ダマシに遭う可能性が高くなります。
ダマシとは思った方向とは違う方向に相場が動いてしまうことです。移動平均線やトレンド系インジケーターを使って相場の方向性をしっかり確認し、オシレーター系インジケーターであるRSIは、エントリーポイントを確定する目的で使うのが得策です。
また、RSIに合わせてCCIというインジケーターを使えば、エントリーポイントを確定する根拠を強めることができ、勝率を高めることができます。
このように、RSIのみで勝とうとはせず、さまざまなツールの活用方法を勉強し合わせ技で使っていきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
RSIは初心者にも分かりやすく、取り入れやすいインジケーターです。
そもそも相場というものは、いつまでも上昇し続けたり、下降し続けたりすることはなく、いつかは反転します。RSIでは、その相場状況を0~100の数値で示し、エントリーポイントのサインとなったり、トレンドの転換点を予測しやすくしてくれるのです。
しかし、勝率の高いエントリーを行うためには、RSI単体では根拠として弱く、他のインジケーターとの組み合わせることでより有効性が増すものとなっています。
バイナリーオプションの取引で勝率を上げていきたいと思っている方は、ぜひRSIについてよく学んだ上で、さらに他のインジケーターについても学び、取り入れてみることをおすすめします。